完全リモートの会社で働きはじめて半年が経った
以前 完全リモートの会社で働きはじめた という記事を書いたが、半年経ったので、もう少しつっこんで現在の働き方について書く。
この記事は リモートワーク Advent Calendar 2016 の12/17の記事として書いた。
今回書くこと
- 弊社でのリモートワークのやり方
- 弊社にあいそうな人の基準
- リモートワークを他の人にもすすめられるか?
弊社でのリモートワークのやり方
一口に「リモートワーク」と言っても、いろいろな働き方がある。その中で、自分が今働いている状況を説明する。
普段は音声チャットにつなげっぱなし
弊社ブログ記事にも書いているが、普段はDiscordという音声チャットにつなぎっぱなしで仕事をしている。
作業中など必要のないときはミュートにしていることも多いので生活音とかは気にならない。
勤務時間はだいたい決まっている
9:20 - 18:00 が定時となっていて、基本的にはそれにあわせて働く。
コアタイムなしのフレックスとかではない。とはいえ、ちょっと席外して家のことをしたりは(Slackに一言書いておけば)気軽にできる。
雑談、コミュニケーションは思ったより多い
朝会でそれぞれ「気になるニュース」を発表しながら雑談したり、基本的に雑談は多い。
ちょっと仕事で気になった点などもDiscordで口頭で話すことも多い。もちろんSlackでやりとりすることも多い。どうしてもリモートワークだとコミュニケーションの質が下がってしまうので、量でカバーしているところもある。
個人の裁量は大きい
よく、「リモートワークとマイクロマネジメントは相性が悪い」という言説を見る。弊社でもかなり個人の裁量は大きいと思う。
例えば、技術の選定なども、一応複数人で検討するが、最終的にはやりたいものをやらせてもらえる場合が多い。新規プロジェクトについても、提案していけば何かしらできるようにしてもらえる。
弊社にあいそうな人の基準
最近、採用に関わる機会も増えた。そのため、どういう人なら弊社にあいそうか、ということをよく考えている。それはつまり、自分にとって弊社ではたらく上で大切にすべきところはどこか、ということにもつながる。
以下、最近個人的に思っている基準を書く。念の為断っておくが、これは個人の見解であり、弊社全体の意見とは異なる場合がある。
自分から仕事をまわしていけるか
そもそも、知的労働は、他人から見て仕事がすすんでいるかどうかわかりづらい。特にリモートワークでは自分一人で悩んでいてもだれも気づいてくれない。
仕事がちゃんとすすんでいるのか、遅れているのならどのくらい遅れているのか、どこでつまづいているのか、そのあたりを意識してアウトプットしていく必要がある。また、評価する側もその時々でつまづいているかうまくいっているか、という微視的な観点より、「最終的に仕事をまわせていること」を見るようにすべきである。
許容すればいいところを許容できるか
リモートだとどうしてもコミュニケーションの質が落ちる、というのは上にも書いた。
対策としては2つあると思う。
- 改善する
- あきらめる
もちろん改善していくことは大事だが、仕事を前にすすめるためには、ある程度許容することも必要だと思う。
あまり細かいことにこだわってもしょうがない。
自分がもう一度言えばすむことであればもう一度言う。相手に情報を出してもらう必要があるならちゃんと情報が出てくるまで相手にリマインドする。そんな感じのことを想定している。
技術面は?
弊社はほぼエンジニアで構成されているため、技術面も一応述べておく。弊社は技術優位の会社ではなく、プロダクト優位の会社である、と個人的には思っている。そのため、技術面より、一緒にはたらけそうか、仕事を任せられそうか、という観点のほうが比重が高いように思う。
ただ、エンジニアとして在籍する以上、一通りのことは自分でできる必要がある。一通りのことができそうか、という判断が結構難しいのだが、いろいろと具体的な話をしたり、場合によっては少し一緒に働いたりして見極めている。かなり人によるので、これ以上具体的な例をあげることが難しい。
リモートワークを他の人にもすすめられるか?
最近、単純な二元論はよくない、と思っている。例えば「SIer vs Web系」という対比がある。よくあるのはSIerはつらいからWeb系にいこう、というもの。ただ、一口にSIer, Web系といっても千差万別であり、具体的にSIer AとWeb系 Bがあったときに単純に比較できるとは思えない。他にも「日本 vs 海外」という対比がある。「アメリカはこうだけど日本はこれだからダメ」という主張をよく見る。これもおかしいと思う。
日本はこうだけど海外ではこう。だから日本はダメ。みたいな論調、日本の問題だけじゃないことを指摘している事が多く、切り口が違うのではないか、と毎回思う。
— Kota Yoshitsugu (@_yoshitsugu) 2016年12月4日
話が逸れたが、本記事も「リモートワーク」を主題として扱っているので、背景として「非リモートワーク」、つまり会社に出社して勤務するスタイルの存在がある。この記事を読みに来ていただいた人の中にも、現在出勤しているが、リモートワークで働きたい、という方もいるだろう。
冒頭にも書いた通り「リモートワーク」と言っても、弊社は弊社なりの「リモートワーク」があり、他のリモートワークの会社では、その会社の「リモートワーク」がある。前回の記事では、リモートワークは人によってあう/あわないがある、と書いた。同じように、「リモートワークの会社」の中でも、会社による違いによって、あう/あわないがあるように思う。リモートワークをやっているところは、採用時も柔軟に対応してくれるところが多いと思うので、まずはお試し的に一緒に働いてみてはどうだろうか。(弊社もときどきそうしている。)
なお、この「単純な二元論はよくない」、という主張自体も見方によっては二元論に基づいている(つまり、単純な二元論とそうでないものとにわけている)ということには当面目を瞑る予定。