AWS IoT ButtonとRaspberry Piで子どもでも緊急事態を連絡できるようにする

Posted on December 7, 2019 , Tags: AWS IoT Button, Raspberry Pi, Rust, IoT

幼児の娘が緊急事態を伝えられるようにした。

背景

私には幼児の娘がおり、妻の仕事の関係上、2人きりで生活することが多い。
もし2人きりのときに自分が倒れた場合、携帯電話などを持たない娘は連絡の手段がない。そこで、AWS IoT Buttonを押すだけで、家庭用Slackに通知することで、少なくとも妻には連絡がいくようにした。
尚、近所の人に助けを求める、など、他の解決策も娘とは話をしており、今回の対策はミッションクリティカルなものではなく、少しでも娘の生存確率を上げる保険的なものとなる。

要件

  • AWS IoT Buttonを押すと、家庭用Slackに緊急事態を伝えるメッセージが投稿されること。
  • いたずらで押すなど、誤通知があった場合にすぐフォローできるようにするため、Slack通知とともに音を出して気づけるようにすること。
    • Slack通知だけであればAWS IoT ButtonとAWS Lambdaを組み合わせればできるが、こちらの音を出す要件によりRaspberry Piも使うことにした。

環境

  • AWS IoT Buttonは こちら から購入した
  • Raspberry Piは昔購入したもの。 /proc/cpuinfo をみると Raspberry Pi Model B Rev 2 となっていた

手順

今回は、全体像として以下のような流れで処理することにした。

  1. AWS IoT Buttonを押す
  2. IoT ButtonにひもづけられているAWS Lambdaの関数が実行される
  3. Lambda関数はRaspberry PiがsubscrubeしているMQTTのトピックをpublishする
  4. Raspberry PiがMQTTのpublishを検知し、Slackへの投稿、および音を鳴らす処理を行う

AWS IoT Buttonを接続する

AWS IoT 1Click を使えるようにする。セットアップ方法は調べればすぐでてくる1ので、ここには詳しく書かない。

Raspberry PiをAWS IoT Coreで接続する

AWS IoT Core を使って、Raspberry Piを管理する。セットアップ方法はこちらも調べればすぐでてくる2ので、ここには詳しく書かない。
ポリシーの設定の理解に少し時間がかかった。

AWS IoT Buttonで連動するAWS Lambda関数を作る

Raspberry PiがAWS IoT Coreで接続できるようになったので、MQTTのトピックをpublishするような関数を作る。今回は趣味でRustで作った。

これをserverless frameworkのrustプラグインを使ってデプロイできるようにした。

Raspberry PiでMQTTのサブスクライブをする

上記の通知をRaspberry Piで受けとり、Slack通知と音の再生をする。こちらも趣味でRustのコードで動かした。Slack通知にはslack-hook、音の再生はaplayコマンドをそのまま実行する形にした。また、MQTTのサブスクライブはrumqttを利用した。

use rumqtt::{client::Notification::Publish, MqttClient, MqttOptions, QoS};
use slack_hook::SlackTextContent::{Text, User};
use slack_hook::{PayloadBuilder, Slack, SlackUserLink};
use std::env;
use std::process::Command;

fn main() {
    // MQTTまわりの設定
    let client_id = env::var("CLIENT_ID").expect("CLIENT_ID is invalid");
    let ca = include_bytes!("../tlsfiles/ca.crt").to_vec();
    let client_cert = include_bytes!("../tlsfiles/cert.pem").to_vec();
    let client_key = include_bytes!("../tlsfiles/private.key").to_vec();

    let mqtt_host = env::var("MQTT_HOST").expect("MQTT_HOST is invalid");

    // SlackのWebhook URL
    let slack_hook_url = env::var("SLACK_HOOK_URL").expect("SLACK_HOOK_URL is invalid");

    // 音楽ファイルの場所
    let music_file = env::var("MUSIC_FILE_PATH").expect("MUSIC_FILE_PATH is invalid");

    let mqtt_options = MqttOptions::new(client_id, mqtt_host, 8883)
        .set_ca(ca)
        .set_client_auth(client_cert, client_key)
        .set_keep_alive(10);

    let (mut mqtt_client, notifications) = MqttClient::start(mqtt_options).unwrap();
    mqtt_client
        .subscribe("panic_button", QoS::AtLeastOnce)
        .unwrap();

    for notification in notifications {
        match notification {
            Publish(_) => {
                // publishをうけたとった場合だけ以下を実行
                let slack = Slack::new(&*slack_hook_url).unwrap();
                let p = PayloadBuilder::new()
                        .text(vec![
                            User(SlackUserLink::new("!everyone")),
                            Text(":rotating_light: *緊急ボタンが押されました!* :rotating_light:\nすぐに連絡をとってください".into())
                        ].as_slice())
                        .channel("#general")
                        .username("自宅")
                        .icon_emoji(":house:")
                        .build()
                        .unwrap();
                slack.send(&p).expect("Cannot send message to slack");
                // 音量の調整
                Command::new("amixer")
                    .arg("cset")
                    .arg("numid=1")
                    .arg("90%")
                    .output()
                    .expect("Cannot change volume");
                for _ in 0..5 {
                    // aplayで音楽を再生
                    Command::new("aplay")
                        .arg(&*music_file)
                        .output()
                        .expect("Cannot play music");
                }
            }
            _ => println!("{:?}", notification),
        }
    }
}

Raspberry Pi向けにコンパイルするのに cross を使った。

コードの全体は https://github.com/yoshitsugu/panic_button にて公開している。

実行結果

AWS IoT Buttonを押すことで、Sackに投稿され、同時に音が鳴る様子を撮影した。

感想

AWS IoT ButtonとRaspberry Piを使うことで比較的簡単に実現できた。 AWS IoT Coreは他にもいろいろと機能がありそうで、そのうち触ってみたい。
また同じような仕組みで、Slack通知とともにカメラで室内写真を撮っておくったり、できることはまだありそうだ。娘に実際に使ってもらいつつ、改善をすすめていきたい。


  1. 【国内販売開始】AWS IoT Enterprise Button試してみたらホンマに簡単にLambda関数を実行できた | Developers.IO など

  2. Raspberry PiでAWS IoT Coreと接続し、GPIO制御をしてみた - Qiita など